地番と番地の違いは? まず、地番と番地の違いについて詳しく説明しましょう。
番地
建物の住所表示に使用されます。
以前は、「千代田区一丁目3番地」といった形で使われていましたが、よりわかりやすく表現するために、「千代田区一丁目の3番目の土地」といった形で理解することができます。
番地は、主に建物の住所をわかりやすく表示するためや、郵便物の配達をしやすくするために用いられます。
地番
土地の登記管理に使用される番号です。
地番がわかれば、土地の所有者や地目、土地や建物の広さや形状などを調べることができます。
具体的には、不動産の登記情報を管理する目的で、土地ごとに決められる番号です。
ここでいう「筆」は、土地の数を表す単位です。
地番と番地の違いを理解することで、住所表示や土地情報の調査がスムーズに行えるようになります。
地番検索サービス
無料で地番を調べる方法 地番を調べる方法には、インターネットを利用した「地番検索サービス」があります。
これは、オンライン上で特定の地点の地番を調べることができる便利なサービスです。
地番検索サービスを利用する際には、あらかじめ調べたい地点の住所や地名などの情報を入力します。
それによって、目的の地点の地番や関連する情報を取得することができます。
このような地番検索サービスは、一般的に無料で利用できるものが多くあります。
インターネット上で検索エンジンに「地番検索サービス」と入力することで、複数のサービスを比較し、自分に合ったものを選ぶことができます。
地番検索サービスを活用することで、地番を手軽に調べることができ、土地の情報を得る際に役立つでしょう。
土地の分筆と合筆
土地を相続などで分割する場合、「分筆」という言葉が使われます。
逆に、複数の土地を一つにまとめる場合には、「合筆」という言葉が使われます。
分筆の場合、元々の土地の地番に枝番が付けられ、新しい地番が決められます。
例えば、「千代田一丁目3番」という土地を2つに分割する場合、「千代田区一丁目3番1」と「千代田区一丁目3番2」となります。
一方、合筆の場合は、元々の土地の地番のうち、首位の地番を残して新しい地番とします。
例えば、「千代田区一丁目3番2」と「千代田区一丁目4番」を合筆する場合、「千代田区一丁目3番2」として、「4番」はなくなります。
なお、合筆登記は互いに接していない土地や、地目が異なる土地、地番区域が異なる土地の場合には行うことはできません。
区分所有マンションの地番
一般的に、分譲マンションでは土地は個々の所有者に分割されません。
マンション全体で1つの地番を共有することが一般的であり、個々の部屋の所有者は地番を持ちません。
個々の所有者は、建物の専有部分の所有権と共用部分の持分、土地の敷地権を一体的に所有し、識別は家屋番号で行われます。
土地区画整理事業が行われた場合の地番
土地区画整理法に基づく土地区画整理事業では、入り組んだ街並み区画や曲がりくねった道路などを整理し、新たな市街地を作ります。
この場合、新しい地番が割り振られます。
土地の位置や形状、面積が異なるため、新たな地番が付けられます
土地区画整理事業による影響で、土地の位置や形状、面積が変わることがあります。
このため、区画整理後には新しい地番が付けられることになります。
また、地番の変更と同時に町名の変更が行われる場合もあります。
それにより、地番と住所が同じ場所も存在します。
地番のない場所や特例も存在します
住所表示制度の導入後は、従来の町名とは関係のない新しい町名が採用されることや、町の区域が全面的に改編されることがありました。
このような変更により、地域の反発が起こることもありました。
そのため、法律の原則には従わない特例が認められることもあります。
また、住所表示制度が導入されていない地域では、地番と番地が同じ場所も存在します。
さらに、地番が存在しない場所もあります。
国有地では地番が付けられていない場所もある
明治の地租改正により、民有地には地番が割り振られました。
そのため、国有地となっている土地には登記されておらず、地番が付けられていません。
その結果、地番を記載した公図と呼ばれる地図では、国有地に関する情報が存在しない状態となっています。
このことから、国有地は「白地」とも呼ばれています。
また、昔の道路や水路、溜池などの「里道」と呼ばれるものは、道路法や河川法、下水道法、海岸法などの法律の対象ではない国有地も存在します。
これらの国有地に関する境界確定や売却などの管理は、市町村が担当しており、管理機能が失われている場合は財務省が担当しています。
地番の調べ方を確認
所有したい土地の所有者や地目などがわからない場合や、相続した土地の周辺の所有者を知りたい場合など、調べるべき情報がわからない場合があります。
しかし、地番さえわかれば、土地の所有者や地目、広さなどを調べることが可能です。
以下では、地番の調べ方について確認していきましょう。
番地がわからない場合は、まずは住宅地図を使って土地の位置を確認します。
最初にやるべきことは、調べたい土地の位置を住宅地図で確認することです。
住宅地図は、住宅が描かれており、表札に書かれた居住者の氏名も掲載されている地図です。
これにより、土地の位置を特定することができます。
住宅地図の作成方法と場所の照合
多くの地図製作会社では、住宅地図の作成のために現場調査を行っています。
まず、現地に行って住宅地の位置を確認し、その情報を元に編集作業を行います。
一般的には、登記所に備え付けてある「ブルーマップ」と呼ばれる地図を使用して、住宅地図の位置を確かめます。
具体的には、登記所に行き、備え付けてあるブルーマップと持参した住宅地図のコピーを照合します。
登記所とは、全国に500カ所近くある法務局や地方法務局、地方法務局の支局や出張所のことを指します。
それぞれの登記所は、特定の地域の不動産の所在地を管轄しており、その範囲内の地番情報を提供しています。
ブルーマップは、公図に住居表示を重ね合わせた地図のことで、「住居表示地番対象住宅地図」とも呼ばれます。
住居表示は黒字で表記され、公図と地番は青字で表示されています。
ブルーマップを使用することで、住所からおおよその地番を調べることができます。
ただし、ブルーマップの購入は高価であり、定期的に更新する必要があります。
また、インターネット上でも地番情報を検索や閲覧することができるサービスも存在します。
もし住所表示の番地がわかっている場合、電話で所管の登記所に照会することもできます。
登記所の担当者は、地図を見ながらおおむねの地番を伝えてくれますが、所有者情報などは確認できませんので、注意が必要です。
また、具体的な土地の地番を知りたい場合は、登記所で申請を行って公図を閲覧することもできます。
公図とは、法務局(登記所)に備え付けられている、土地の位置や形状を法的に確定するための図面です。
公図を確認することで、道路との位置関係や土地の形状、大きさから具体的な地番を探すことができます。
また、登記所では公図に基づいて証明書を発行してもらうことも可能です。
公図は、国の地籍調査の結果を基に作成される「14条地図」と、これに準ずる図面の2種類があります。
これらの図面は、土地の位置や形状の確定に法的な意味を持ち、不動産取引や登記手続きにおいて重要な役割を果たしています。
不動産登記における公図の種類と作成方法
不動産登記において、公図とは、地図と建物所在図の2種類の図面を指します。
不動産登記法14条では、登記所に地図と建物所在図を備え付けることが義務付けられており、地図は土地ごとに作成され、土地の区画と地番を明確に表示する必要があります。
しかし、現実には14条地図の作成がまだ進んでおらず、多くの登記所ではそれに準ずる図面が使用されています。
不動産登記法14条に基づく「14条地図」は、国の事業として地籍調査を行い、立会いや測量を経て作成される正確な地図です。
この地図は、方位、形状、縮尺などが精密に計測され、土地の区画と地番を正確に復元することが求められます。
地籍調査は、市区町村などが主体となって行われ、土地の所有者の立ち会いの下で境界の測量が行われます。
ただし、全国的な地籍調査の進捗率はまだ50%ほどです。
一方、14条地図に準ずる図面の多くは、明治時代に地租改正の時に作成された地図が元となっています。
当時の測量技術の未発達なため、字ごとに作成された図面であり、字限図または旧土地台帳付属図面と呼ばれています。
このような図面は、現状に合わない部分も多く、14条地図と比べて正確さには欠けるとされています。
なお、里道や水路など、かつて存在した道路や水路は、道または水と表示されます。
里道は赤く、水路は青く塗られることが多く、そのため「赤道」や「赤線」、「青道」や「青線」と呼ばれることもあります。
地番検索サービス
インターネットを利用して公図を閲覧する方法 一般財団法人 民事法務協会が運営している「登記情報提供サービス」の一環として、無料で利用できる「地番検索サービス」をインターネット上で利用できます。
このサービスを利用すると、公的な証明はされませんが、登記所が保有している不動産の登記情報を閲覧したり印刷することができます。
ただし、利用時間は平日の午前8時30分から午後9時までです。
– 住宅地図を利用しておおよその地番を検索する方法 地番検索サービスは、不動産の登記情報を入手する前に、インターネット上で提供される住宅地図を利用して、住居表示からおおよその地番を検索できるサービスです。
このサービスは、登記情報提供サービスの一部であり、インターネットを使える環境があれば無料で利用することができます。
ただし、個人名は表示されず、市販の住宅地図と比べて利用しやすさが劣ることに注意が必要です。
利用するには、登記情報提供サービスのメニューの中で、「不動産請求」という項目の「請求事項入力」画面内に表示されている「地番検索サービス」を選択すれば利用することができます。
具体的な利用方法や対象地域、登録手続きについては、画面上から詳細を確認することができます。
閲覧できる登記情報
電子化された登記情報の閲覧方法 登記情報提供サービスを通じて閲覧できる登記情報は、電子化された情報です。
請求した時点での最新の登記情報をリアルタイムに閲覧したり保存することができます。
所有者や登記内容が変更されている場合でも、最新の情報を確認することができます。
閲覧できる登記情報の種類としては、不動産登記に関する「全部事項」、「閉鎖登記簿」、「所有者事項」、「所有者の氏名・住所・持分」、「14条地図」または「14条地図に準ずる図面」があります。
公図の閲覧と請求方法
インターネットを通じて、公図や他の図面情報にアクセスし閲覧したり、印刷したりすることができます。
具体的には、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面、各階平面図などが含まれます。
公図に関しては、法務局のオンライン請求サービスを利用して取得することができます。
公図のオンライン請求方法
公図などの登記情報は、法務局の登記・供託オンライン申請システムを利用してオンラインで請求することが可能です。
このシステムは、平日の午前8時30分から午後9時まで利用することができます。
ただし、窓口での申請と異なり、取得できる書類が制限される場合もあります。
公図の受け取り方法としては、登記所での受け取りや郵送での受け取りが選択できます。
なお、オンライン請求は窓口申請よりも少し安価であり、公図の場合は、窓口での請求と受け取り、オンライン請求での郵送受け取りの場合には1つあたり450円かかりますが、オンライン請求での窓口受け取りの場合には1つあたり430円となります。
地番の活用と登記情報の取得方法
地番を把握することで、さまざまな活用が可能です。
具体的には、土地や建物の登記情報を入手することができます。
たとえば、土地の売却を検討している場合、隣接地との境界を確認する必要があります。
また、相続した土地を売却する際には、近隣の土地の所有者を探す必要があるかもしれません。
公図を見れば、対象となる土地が掲載されており、隣接地の地番や国有地であるかどうかが分かります。
隣接地の地番が分かれば、土地の登記情報を入手して所有者や地目、広さなどを確認することができます。
また、地番を基にして土地の価格相場や公示地価、路線価、近隣土地の不動産取引価格や販売価格を調べることも可能です。
例えば、「売地」の看板を見かけた場合でも、地番を知ることで土地の登記情報を取得し、所有者などを調べることができます。
地番がわかれば、気になる建物の広さや形状がわかる
気に入った建物を見つけた場合、広さや形状などの詳細を知ることができるのは知りたいですよね。
実は、地番を知ることで、建物の図面などの登記情報を入手し、所有者や広さ・形状、建ぺい率・容積率などの情報も知ることができます。
つまり、地番を把握すれば、例えば相続した土地の建築条件などを調べることもできます。
表示に関する登記とは
「表示に関する登記」とは、不動産の登記において、所有者や権利関係に関する情報が記載される部分のことです。
特に、マンションなどの区分建物では、建物の敷地に関する敷地権の記載も行われる場合があります。
また、敷地権の権利関係は、区分建物の甲区や乙区に詳細に記載されます。
権利部(甲区)の記録事項とは
権利部の甲区には、所有者に関する情報が記録されています。
具体的には、所有者の氏名、所有者となった日付、所有者となった経緯(売買や相続など)などが詳細に記載されます。
さらに、所有権の取得に関する情報だけでなく、所有権の移転登記や所有権に関する仮登記、差押えなども記載されます。
権利部(乙区)の記録事項とは
権利部の乙区では、所有権以外の権利に関する情報が記録されます。
具体的には、抵当権設定や地上権設定、地役権設定などが記載されます。
登記情報の種類とは
登記情報には、主に公図や「登記事項証明書」、要約版の「登記事項要約書」、土地の面積や形状を示す「地積測量図」、建物の面積や形、配置を示す「建物図面、各階平面図」などがあります。
登記事項証明書とは
不動産の登記記録は、通常、土地と建物の情報が別々に記録されます。
土地の登記記録には、土地の所有者や所在地、地目、地積などが記録されます。
建物の登記記録には、建物の所有者や所在地、建物の種類や構造、床面積などが記録されます。
登記事項証明書は、登記情報のうち、特定の部分を対象にした内容が記載された書類です。
登記事項証明書の種類と用途
登記事項証明書には、以下の3つの種類があります。
1. 全部事項証明書 全部事項証明書は、登記情報として記録されている全ての事項について証明する書類です。
つまり、その土地や建物に関する全ての情報が含まれています。
2. 現在事項証明書 現在事項証明書は、登記記録に現に効力を有する事項のみを対象としています。
つまり、現在の所有権や抵当権など、実際に影響を及ぼす事項についてのみが記載されます。
3. 一部事項証明書 一部事項証明書は、権利部の相当区に記録されている一部の事項について証明する書類です。
具体的には、特定の区に属する何番の事項を対象としているかが記載されます。
また、合筆された土地や滅失した建物について過去の記録としては、「閉鎖事項証明書」という書類も存在します。
登記事項要約書の内容
登記事項要約書は、主に現在効力のある事項のみが記載される書類です。
この書類には、所在地や地番、地目、地積、家屋番号、床面積などの不動産の表示に関する情報が含まれます。
また、現在の所有者の住所や氏名、申請書受付の年月日、所有権に関する事項なども記載されます。
さらに、所有権以外の権利については、抵当権や差押えなどの主な事項が示されます。
ただし、認証文や作成年月日などの詳細な情報は含まれません。
地積測量図の役割と作成手続き
地積測量図は、土地の測量結果を示すものであり、土地の境界や面積を明確にするための測量図です。
基本的には、1筆の土地ごとに250分の1の縮尺で作成されます。
この図面には、土地の面積(地積)のほか、境界標の位置や種類、境界点間の距離なども表示されます。
ただし、全ての土地に地積測量図が作成されているわけではありません。
地積測量図は、土地の分筆登記や地積の更生登記、未登記の土地の新たな登記の際に作成されることがあります。
この手続きが行われていない場合は、地積測量図を取得することはできません。
まとめ
土地を売却する際には境界を確定する必要があり、土地を購入する際にも所有者や広さなどを知りたいというニーズがあります。
このような場合には、登記事項証明書や登記事項要約書を活用することができます。
また、土地の境界や面積を明確にするためには、地積測量図が必要になりますが、作成手続きが行われていない場合は入手することができません。