都心部や市街地の中心部にお住まいの方は、一戸建てを建てる際に庭付きを希望していても、敷地の広さに制約があることが多いですよね。
しかし、そんな時には中庭を考えてみることをおすすめします。
中庭とは、建物の内部に設けられた庭のことです。
中庭のある家はコの字型やロの字型の形
中庭を配置するための一般的な家の形は、主にコの字型とロの字型があります。
コの字型は、上から見るとコの字の形をしており、庭空間を確保しつつプライバシーも守りやすい形状です。
一方、ロの字型は、建物の四方を囲むように中庭が配置され、外部から完全に中庭が見えない状態です。
この形状は防犯面で安心感がありますが、居住空間が少なくなる可能性があるため注意が必要です。
また、ロの字型では排水の位置を工夫する必要もあります。
中庭があることのメリット
中庭を持つ家は、一般的にはおしゃれで美しいイメージがありますが、中庭があることにはデザイン性だけでなく、さまざまなメリットがあります。
中庭があると、暮らしの質自体が変わることがありますので、そのメリットについて詳しく説明いたします。
明るい室内が作れる
都市部などの住宅密集地では、建物の間隔が狭く、十分な日光を確保することが難しい場合があります。
例えば、日当たりを考慮して建てた家でも、後から思いがけない建物が隣に建てられてしまうことが少なくありません。
しかし、中庭を設けることで、周囲の環境の変化を気にせずに安定した日光を確保することができます。
通常、北向きで日がほとんど入らない部屋でも、コの字型やロの字型の住宅に中庭を設けることで、南側から室内に光を取り込むことができ、明るい環境を作ることができます。
安心・安全なプライベート空間が確保できる
小さなお子さんがいるご家庭では、庭がない場合でも中庭を利用して遊ばせることができます。
中庭は、屋外の庭よりも天候に関係なく利用することができるため、いつでもお子さんを外で遊ばせることができます。
また、中庭ならばご近所や通りの目を気にする必要がなく、安心してお子さんを遊ばせることができます。
防犯面でも安心ですね。
さらに、中庭では家族みんなでゆっくりと四季の移り変わりを楽しむことができます。
休みの日にはDIYをしたり、友人を招いてガーデンパーティを開いたりすることもできます。
特に夏場になると、プールなどを中庭で気兼ねなく楽しむこともできます。
また、在宅勤務をしている方や主婦の方などは、基本的に家にいることが多いですよね。
そのため、中庭があればわざわざ外に出なくても気軽に緑を楽しむことができます。
中庭で植物や花々を楽しんだり、リラックスしたりすることができます。
中庭は、小さなお子さんがいるご家庭や在宅勤務の方にとって、便利で快適なスペースです。
天候に左右されずに利用することができるうえ、家族や友人との時間をより楽しむことができます。
ぜひ中庭を活用して、より豊かな生活を送ってみてください。
防犯面を意識せずに窓を開けることができる
コの字型やロの字型の家は、壁面が多い構造をしています。
そのため、たくさんの窓を設けることができます。
特に中庭の窓は、就寝中でも心配せずに開け放つことができます。
これは、防犯面でも安心です。
例えば、夏場の暑い日には、中庭の窓を開けることで室内の換気が可能です。
中庭と家の窓を開けると、外から新鮮な空気が室内全体に入り込みます。
このような構造は、快適な居住環境を提供するために特に便利です。
中庭をつくるデメリット
中庭を作ることには、さまざまな利点と同時にいくつかの懸念点も存在します。
これらの懸念点を確認し、建築家と相談して解決策を見つけることは、非常におすすめです。
建築家は、中庭のデザインや配置に関して専門的な知識を持っており、あなたの希望に合わせて最適な解決策を提案することができます。
例えば、中庭を作ることで周囲の部屋の採光や自然の風の流れに影響が出る可能性がありますが、建築家と相談することで、これらの問題を解決するための工夫ができるでしょう。
建築家の専門的なアドバイスを受けながら、中庭の設計を進めることは、より快適で美しい空間を実現するための重要なステップです。
建築費が高くなる
中庭を造ることには、いくつかの注意点があります。
まず、中庭を作ることで、建物の外壁の面積が増えるため、建築費用が高くなります。
中庭のスペース分だけ、外壁を追加しなければならないのです。
そのため、通常の一戸建て住宅と比較して、建築費用が上がることになります。
また、中庭は通常の住宅のデザインとは異なるため、設計には工夫が必要です。
そのため、設計料用に予算を確保する必要があります。
中庭の形状や配置に合わせた設計を行うことで、美しい中庭空間を作り出すことができますが、それには設計士の知識と経験が必要です。
中庭は住宅に魅力的な要素を加えることができますが、その代わりに建築費用が高くなり、設計にも手間がかかることを念頭に置いておく必要があります。
ただし、中庭の美しい景観や自然の息吹を感じることができる価値は十分にありますので、計画段階から慎重に考えることをおすすめします。
光熱費が上がる可能性がある
窓が多いということは、風通しは良くなりますが、同時に断熱性能も低くなる傾向があります。
特に冬場には、部屋を暖めても暖かさが逃げやすく、空調にかかる費用が予想以上に高くなることがよくあります。
月々のランニングコストを減らすためには、ペアガラスや高い断熱性能を持つ壁材などを使用することが効果的ですが、その場合、建設費用を予め多く見積もる必要があるでしょう。
手入れに手間がかかる
中庭のデザインや通風を考慮すると、大きな窓が必要になることがよくあります。
ただし、窓のメンテナンスは専門の清掃業者に頼むのがベストです。
ただし、普段のお手入れについては自分で行う必要があります。
ただし、窓が手の届かない場所にある場合、自分でお手入れすることはできるのかどうかを慎重に考える必要があります。
したがって、そのような場合は注意深く相談しておくことが重要です。
まとめ
中庭を持つ家では、特に間取りを決める際には生活動線に注意することが重要です。
洗濯や掃除、配膳などは毎日行うことが基本なので、キッチンからリビングまでの距離が遠かったり、洗濯機とバルコニーがつながっていなかったりすると、家事が負担に感じられてしまうでしょう。
デザイン性の高い家は魅力的ですが、動線に配慮した家作りを重視することをお勧めします。
また、中庭の設計においても注意が必要です。
中庭に植物や庭園を作る場合は、排水場所を設置する必要があります。
適切な位置に排水場所がないと、大雨が降った際に中庭に水が溜まってしまうため、室内が浸水する危険性があります。
中庭には水はけの良い床材を使用し、常に排水溝が詰まらないように注意しましょう。