公務員は住宅ローンの審査に有利と言われているけど本当なの?詳しく解説

不動産

公務員の方は、充実した福利厚生が提供されているため、さまざまな住居選択肢を利用することができます。

公務員の中には、官舎や家賃補助制度を利用して、割安な家賃で賃貸住宅に住み続ける方も多くいます。

一方で、公務員は安定した職業であり、住宅ローンを組みやすい立場にあるため、自らの資産としてマイホームを購入する方も珍しくありません。

公務員が住宅ローンの審査にパスしやすい理由

公務員は、一般のサラリーマンと比較して住宅ローンの審査において特典を受けることが多いです。

この傾向の背景には、いくつかの理由が存在しています。

収入・ボーナスが安定している

公務員は、民間企業で働くサラリーマンと比較して、収入やボーナスの金額が一定であることが多いです。

たとえ景気が悪くなったとしても、公務員の給与は大幅に減額されることはありませんし、ボーナスが完全にカットされることもありません。

実際にリーマンショックやコロナ禍の際にも、公務員のボーナスはわずかに減額されただけでした。

一方、民間企業では、景気が悪化することで収入が大幅に減少し、ボーナスがカットされる可能性もあるため、金融機関は公務員の安定した収入を重視しています。

そのため、公務員の方が住宅ローンなどの融資において優遇される傾向があります。

職場の倒産等で失業する可能性が低い

公務員の方々は、通常は解雇されることはほとんどなく、自分自身の都合以外では失業することがほとんどありません。

国や自治体は、一般の企業のように経営の問題で倒産する心配が少なく、ほとんどの場合、定年まで勤めることができます。

もしも病気やけが、育児や介護などの理由で一時的に職場を離れる必要があっても、最長で3年まで休暇を取得することができますし、職場に復帰することも比較的容易です。

住宅ローンの審査では、長期間継続して働くことができ、返済に遅れる可能性が低いかどうかが重視されます。

先述のように、公務員の方々は景気の影響を受けにくく、長期間働き続けることができるため、住宅ローンの審査でも特典を受けやすい傾向にあります。

そのため、公務員の方々は比較的有利な条件で住宅ローンを組むことができるのです。

退職金で一括返済が可能

公務員の定年退職の際には、勤続年数や役職によって差はありますが、平均的には2,000万円以上の退職金が支給されることがあります。

この退職金は、民間企業のサラリーマンと比較すると、法律で保障されているため、安定的に受け取ることができます。

そのため、定年退職時には住宅ローンの一括返済を行うケースが多く見られます。

もしも定年退職後にまだローンの残債がある場合でも、ほとんどの場合では退職金を充てて返済することができるでしょう。

この点は、住宅ローンの審査を受ける際に非常に有利な条件となります。

公務員が住宅ローン審査に通らないケース

公務員の方は、審査において有利な条件が揃っているにもかかわらず、住宅ローンの審査に落ちる可能性が完全にゼロというわけではありません。

過去に遅延・滞納履歴がある

公務員といえども、信用情報に問題があると、住宅ローンの審査で不利になります。

具体的には、クレジットカードの支払いや携帯電話の分割払い、税金や社会保険料の遅延・滞納履歴があると、審査に落ちる可能性が高まります。

この場合、信用情報が信頼できないと判断され、返済能力が疑われるため、住宅ローンの審査結果が不利になります。

クレジットカードの支払いや携帯電話の分割払いに遅延などの履歴があると、借金返済に対する信頼性が低く評価され、金融機関からの借入を受けられなくなる可能性があります。

また、税金や社会保険料の滞納履歴がある場合も、返済能力に疑念を持たれ、住宅ローンの審査に不利になります。

滞納した履歴があると、公的な債務を返済する能力に欠けていると見なされ、金融機関からの借入を受けられない可能性があります。

したがって、住宅ローンを申請する前に、信用情報の管理や借金の返済を正確かつ迅速に行うことが重要です。

過去の延滞や滞納履歴がある場合は、信用回復措置を行い、信頼性を高める努力をする必要があります。

これにより、住宅ローンの審査において有利な結果を得ることができます。

健康上の問題で団信に加入できない

住宅ローンを組む時には、通称「団信」と呼ばれる団体信用生命保険に加入する必要があります。

団信は、もし債務者が死亡したり重度の障害を負った場合、保険金が支払われて残りのローンを免除してくれる制度です。

団信は生命保険の一種なので、健康状態が十分でないと判断されると、団信に加入できず、結果として住宅ローンの審査にも通過できないことになります。

ローンを組む物件に問題がある

住宅ローンを申し込む際、自分自身には何の問題もなくても、購入しようとする物件に問題がある場合は、審査に通らないことがあります。

このような問題は、建築基準法の違反がある中古物件や、登記の内容に問題がある場合によく見られます。

具体的な問題としては、接道義務を果たせない場合や、増築部分が登記されていない場合、事務所や店舗を住居に改装した場合の種類変更が登記されていない場合などがあります。

返済負担率が高すぎる

公務員の収入が高いため、借入額が多くなりがちです。

しかし、借入額が大きすぎて「返済負担率」が高くなると、住宅ローンの審査に落ちる可能性があります。

返済負担率とは、年収に対する年間の住宅ローン返済金額の割合を表します。

例えば、年収が500万円の方が年間で150万円(月に換算すると12.5万円)を返済する場合、返済負担率は「150万円 ÷ 500万円 = 30%」となります。

この返済負担率は、手取り収入の25%以下に収めることが理想とされています。

総務省の家計調査によれば、令和2年の勤労世帯の住宅ローン返済負担率は、手取り収入に対して平均で16.3%、税込年収に対して平均で13.2%となっています。

返済負担率が40%以上になってしまうと、審査に落ちやすくなるとも言われています。

ですので、ご自身の年収と返済負担率を比べながら、住宅ローンの判断をしてください。

まとめ

公務員の方がマイホームを購入すると、勤務している自治体からの家賃補助制度の対象外になります。

これまで住宅手当をもらいながら家賃を支払っていた方は、マイホームの購入により経済的な負担が増える場合もあります。

その場合には、税金の負担を軽減するために「住宅ローン控除」という制度を活用しましょう。

住宅ローン控除では、特定の条件を満たしていれば、年末時点での住宅ローン残高の1%(最新の制度では0.7%)が、10年間にわたって所得税から差し引かれます。

ですので、住宅ローンを組む予定の物件が住宅ローン控除の対象となるかどうかを、事前に確認しておくことが非常に重要です。

控除対象になるかどうかをあらかじめ確認することで、将来的な税金負担を軽減することができます。

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